コロナウイルス(COVID-19)と気胸はどのように関わっているのか
コロナウイルスの影響で、体に異変を感じても病院に診察に行くのも怖いから。と我慢していませんか?胸が痛いなとか、息が苦しいな、と感じても気胸かもしれないけどコロナウイルスだったらどうしよう。と不安に感じられる方も少なくはないと思います。
過去に気胸で手術をした方や胸腔ドレナージで回復した方も、コロナウイルスが気胸にどのように関わってくるのか気になりますよね。基礎疾患によってコロナウイルスが重症化するリスクが高まると言われています。気胸は基礎疾患に入るのか、基礎疾患として扱われるのか、様々な観点からまとめました。
肺気胸に関しての詳しい内容は以下の記事も合わせてご覧ください。
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【目次】
気胸とコロナウイルスには関係があります。
中国の武漢で、2019年12月から2020年1月26日の期間に集中治療室に入室した患者52名を対象とした臨床経過の報告があります。患者の平均年齢は59.7歳で、そのうち40%は慢性疾患を有し、98%が発熱、ARDS(急性呼吸不全)が67%、急性腎障害29%、肝機能障害29%など、多くの臓器機能障害の基礎疾患を有していました。。そのうち、気胸を基礎疾患としていた人は全体の2%でした。
http://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=emergency&date=202003&file=20200318-Lancet_Respir_Med-xx-E.csv
この報告から、気胸とコロナウイルスが関係ないとは言えないと分かっていただけると思います。残念ながら、気胸も基礎疾患として捉え、重症化する可能性があると思っておいた方がいいでしょう。
しかし、怖がる必要はありません。弱点が分かっていれば予防する事や対策を立てることが出来ます。気胸を再発しないための方法や対策、お家で出来る予防法も別に記事で紹介していますのでそちらも合わせてご覧ください。↓
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では、実際にどのように気胸と関わっているのかを見ていきたいと思います。
【再発】気胸と肺炎の関係とは?
コロナウイルスの影響で起こる肺炎は、ウイルス性の肺炎です。通常、肺炎で多いのはウイルス性の肺炎ではなく細菌性の肺炎です。肺炎は、気管支に細菌が入り込むことで肺胞まで届き炎症を起こします。
細菌性の肺炎ではその細菌に対して抗菌薬を用いて治療します。一方、ウイルス性の肺炎ではマイコプラズマ肺炎などの一部抗菌薬が効かないものもあります。コロナウイルスもその一種と考えられ、唯一の治療法が人工呼吸器になります。
しかし、患者の数が増えることで人工呼吸器の数が足りなくなります。そうなると、病院の対応も遅れ、病床数も次々と不足してしまいます。その状態を医療崩壊と呼びます。
肺に病気があり、この病気が原因で起こる気胸を続発性気胸(ぞくはつせいききょう)と呼びます。過去に気胸の治療をした方が、今回のコロナウイルスに感染して肺炎を発症し、それが原因となり気胸を再発してしまう方もこれから出てくると考えられます。もしくは、もうそのような事例も報告されているかもしれません。
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コロナウイルスの影響で気胸を再発しないために
多くの方は、現在外出を自粛されていると思います。新型コロナウイルスの本当の恐ろしさは重症化を経験した人にしか分からないのだと思います。過去に気胸だった方は、たとえ若くても他の健康な人より注意深く予防し、不要不急の外出を避け、毎日規則正しい生活をして今回のウイルスを乗り越えましょう。
現在、少し息が苦しいな、呼吸がしづらいなと感じる方は一度深呼吸をして落ち着いて、それでも息苦しさや胸痛が続く場合は近くの内科でも肺の音を聞いてくれるので、悪化する前に受診してください。内科の先生も肺の音を聞き、異変があれば大きな病院への紹介状を出してくださいます。
気胸にならないために出来ること、肺気胸を再発させないためにすべきこと、自宅で出来ることを紹介した記事のありますので合わせてご覧ください。
コロナウイルスにも気胸にも正しい予防をして、健康的に充実した毎日にしましょう!
参考:肺気胸の経験談・気胸を乗り越えた方法
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